特別企画・LASS to the dream共同代表emoに逆インタビューしてみた。

emo(右)と今回emoの代わりに取材役になったyuh(左)。WIRED CAFE ルクア大阪店で撮影。

コーチングインタビューを読んでいて、この記事の「取材をしている人」の方が気になる…って思いませんでしたか?

今回は普段は取材をする側にいるLASS to the dream共同代表・emoを、アドバイザーyuhと共同代表yu-kaで取材してみました。emoは自身の凹から前職2社を退社に追い込まれたPDD(広汎性発達障害)の当事者でもあります。

yuka & yuh:emoさんよろしくお願いします。

取材受けるのは初めてです(笑)。お願いします!!

■「笑顔の生まれる自由」な働き方がしたい

yuh:では、まずemoさんの働き方の夢とか、こういう仕事がしてみたい、みたいなこと を聞かせてください。

フリーランス、会社に依存しない働き方、自分で自分の時間マネジメントできるような働き方が夢です。今、頭に浮かんできたのはキャリアコーディネーターみたいな資格をとっ て、誰かの人生の成長を見届けられるようなことは素敵ですね。

就労移行支援で実習をしていてわかったんですけれど、「会社の中で自分が何をやっているのかわからない状態」が苦手なんです。最初の職場の時に特に、訳がわからず指示通り働いているなぁって感じていました。自分がいったい何をやってるのか、具体的にわかるような働き方がしたいです。

yuh:子どもの頃、大人になったらこういう風に働きたいなって思っていたことがありますか?

漠然としていますが、起業するとか個人事業主とか。あとプロ野球選手にも憧れました。共通しているのは「笑顔がかっこいいなぁ」ってことですかねー。電車乗ってるサラリーマンが疲れていそうな顔をしているのに反して、自分で事業を起こしているような人って表情が活き活きしているなって。それこそ自由なんだなって。

■働く時間や仲間を自分で選ぶ

yuh:emoさんが思う仕事の「自由」ってどんなことなんですか?

まずは時間を自分で決められることですね。特性なのかもしれませんが、集中して仕事のできる時間帯が他人と違うんです。あと、一緒に仕事をする仲間を自分で選べることも自由でしょうか。

服装の自由さも憧れます。カジュアルで過ごしていられる。普通の仕事は特に理由もないのに、どうしてスーツを着ているんだろう、って。小さい時から嫌だなって思っていたことです。就職活動でも理由もないのにスーツを着させられる…。

yuh:「理由もないのに」「理由が知りたい」のような表現がよく出てくるのがemoさんらしく感じます。

yu-ka:働く場所とか環境のイメージはありますか?何人くらいで働いてるとか、勤務時間とかです。

グランフロントとかのシェアオフィスで…という理想はあるのですけれど、実は特性的には職員数が多い会社がいいんじゃないか、とも感じていてすごく揺れています。というのも、前職が人数の少ない会社だったので、補いあえる関係が作れず、残業も長かったんです。残業が22時や23時になったことも。もっと自分に負担のない環境が良いのかとも考えたりします。

就業時間も自分勝手なことを言ってしまうと、ブランチを食べて11時に始業、14時まで仕 事をして、どうしても眠くなってしまう14時から16時まではできれば昼寝をして、夜は20 時には終業したいです。朝は苦手なので、9時や10時始業でない方がありがたいです。

■emoの職歴・新卒1社目「不器用」

yuh:僕らは少し知っていますが、emoさんが前職でどんな思いをしてきたのか、読者に教えて頂けませんか?

新卒1社目は図書館だったんです。(特性上苦手な)マルチタスクを求められたことがとてもしんどくて。総合受付、貸借の対応、電話応対、クレーム処理、特に貸借カードの作成が嫌で、(特性の注意欠如で)住所を間違えることが多くてクレームを受けました。

本を倉庫から出して綺麗に並べる作業があるのですが、特性上手先が不器用すぎて、それがなかなかできませんでした。

入社当初は期待されていたので、同期と比べられて辛かったです。お客さんからも叱責は多かったのですが、上司の「次はないよ」という言葉がずっと頭に残っていました。そうすると「ミスできないな」と過剰に思ってしまって、逆にミスが増えるんです。

「図書館便り」という飾りつけの作業も不器用で全然できなくて。「簡単な仕事だから」と新人に任されるんですが、飾り付けを自分で作らないといけないんです。当時「発達障害」という言葉も知らなかったので、完全に自信を失くして1社目は半年で辞めました。

yuh:「不器用」と「上司の不理解・叱責」が特に辛かったんですね….。それから再就職していますよね。

ええ。でも2社目も半年で退職しています。食品会社だったのですが、もともとは商品企画 の分野で将来的に働いてほしいと採用されて、でも小さい会社だったので、現場を知ってほしいということで工場の配属になったんです。

正社員なので工場のバイトの人に指示を出すという役割でした。入社して最初の仕事が自分のエプロンを作るという作業だったのですが、不器用だから当然できないじゃないですか。それを見ていた周囲が「ちょっとやばいぞ」となってきたのですが、不器用さは誤魔化しようがないですよね。「すいません。初日なので緊張して頭が真っ白になってしまってできませんでした」って謝ったのが入社初日です。

苦しい経験を思い出すemo

■2社目での人間関係と二次障害

yuh:なんだか前途多難な幕開けですね…

そうなんです。そこからだんだん周囲の評価が下がり続けるんです。同時作業(PDDの特性上マルチタスクは苦手)もできないので、発注ミスなども増えて、「emoくんって思ってたんと違う」と言われました。一番傷ついたのは「僕がいつ辞めるか」を賭け事されていたことですね。

作業が全然できないだけでも嫌ですが、人間関係が苦しくて。ご飯を一緒に食べても、冗談で肩をぶつけてきたりする人がいて、付き合いたくないと思う人が多かったです。上手く仲良くできないので、宇宙人的キャラを演じて、遠ざかるようになりました。

常に監視されている感じもあって、嫌でした。自分はやるべきことを終えたのに「とりあえず残業して。若いから」とか「繁忙期やから、朝早く来て」と言われたり。そうして誰かのミスがあると、何かにつけて自分が疑われました。

1社目の頃からうつ傾向(発達障害が理解されないことによる二次障害)があって、休みがちでした。でも2社目でも上手くいかず、「どこへ行ってもやっていかれへん。自分に居場所はない」って確信していました。電車を見ると「自分がここでいなくなったらどうなるんやろ」と思うようになったし、パニック発作のようなものも出てきて。あ、これは退職しなきゃな、って。

退職する時に「捨て台詞」をいっぱい言われてしまいました。「期待してたのに」「最初はもっと頑張れると思ってたのに」「信用を裏切った」と。

yu-ka:ひどい!

幸い(?)退職の前くらいに「どっか頭おかしいんちゃう」と言われたので、ネットで検索してみたら「発達障害」という言葉を見つけて「あ、俺これやわ…」って知ることができました。

就労移行支援からの再就職先って、工場系が多いんです。俺の前職みたいな職場に行くことになる発達凸凹の人も現状多いとおもうんです。それを変えていきたいですね。

■emoの強みと配慮のポイント

yuh:逆に、こんな仕事だったら俺得意だったのに!っていうことがありますよね。

図書館(1社目)の時に、唯一褒められたことがあって、それはお客様におすすめ映画を紹介することでした。こんな映画が見たい、と言われたらそれを検索して見つけるのが得意でしたね。もし本に詳しかったら、本でもおすすめ業務みたいなことができたのかもなぁ、と思います。ただ、2社目に関しては全くありませんでしたね。

yu-ka:emoさんは、お話を聞いて提案するお仕事とか向いてそうですよね!環境も悪かったと言っておられましたけれど、さっきの出来事を思い返して、こういう人たちと一緒に仕事できたらよかったのにな、というのはありますか?

手先が不器用っていうのをわかってくれていたら。その上で手先の仕事が好きな人がいてくれると助かりますね!

特性なのか、周りの空気に自分の気持ち・内面が流される(影響される)んです。前職は悪口が多い職場だったので、自分も悪い方に悪い方に考えて、ネガティブになっていました。あと前職には「将来こういうことをしていきたい」といった向上心を持った人もいませんでした。何かに夢中な人たちがいる環境が、自分は働きやすいです。そういう環境だと俺は「やろう!」ってなるので、熱い気持ちをもった人たちと働きたいですね!!

emoがLASS to the dream含めて起業に興味があることは聞いていましたが、特性から過去の職場で苦しかった体験をこんなにリアルに聞くことができたのは、当事者でない自分にとっては初めてでした。

emoが挑戦し、時に挫折し、特に大きな気づきを得て進んでいく様子を皆様にお伝えできたらと思っていますので、今度とも応援ください。
(取材:yu-ka & yuh、文:yuh、編集 & 写真:yu-ka)

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