「人が輝くお手伝いがしたい~今までの経験から気づいた共通点~」小倉トーストさん

第5回目のインタビューにご協力くださったのは、小倉トースト(ペンネーム)さん、37歳です。現在勤務している会社の上司から指摘があり、病院へ足を運んだところ、軽いADHD・アスペルガー症候群と診断されました。小倉さんが、今までの経験から見出した共通点とは、どのようなことなのでしょうか?お話をうかがってみたいと思います。

夜の42195 coffeeさん♪今回はこちらで取材させていただきました!

emo&yuka:今日はよろしくお願いします。

yu-ka:まず、Aさんの診断名を教えていただけますか?また、診断を受けに行ったきっかけは何でしたか?

小倉トーストさん(以下、小倉さん):よろしくお願いします。昨日、取材前なのにうっかり友達の家でパズルをやっていたら、熱中しちゃって寝不足なんだよね(笑)。あっ、きっかけは今の会社で、何度注意されても同じ失敗を繰り返す、計画が立てられない、優先順位がつけられないっていうことが3年間働く中で変わらなくて。そんな僕を見て、上司に「もしかしたらADHDでは?」と指摘を受け、病院に行ったんだよね。それで、今年(2016年)7月に軽いADHD・アスペルガー症候群と診断を受けた。自分でも、診断よりも少し前にそういうことを調べていたから、ショックは無くて、なんか自分の状態に名前をつけられて安心感があったかな

yu-ka:安心感の方が大きかったんですね。小倉さんは学生時代、どんな性格でしたか?発達凸凹で困ったことはありましたか?

小倉さん:小学生、中学生のときは優等生ぶっていて、正論を振りかざす性格だったかな。特に凸凹で困ったことはなくて。あっ思ったことをすぐ言っちゃうところは、発達凸凹から来ている部分かも(笑)。

高校生の時、皆から人気のA先生が居たんだけど、「お前らいいか~!」っていう口調が気になって、「Aちゃんって偉そうだよね~!」とつい授業中に先生に言っちゃったんだよね(笑)。自分自身困ったことはなかったけど、そういうストレートな言動などで周りを困らせていたときはあったかもね!(笑)

■スケジュールの立て方と工程確認のタイミング

yu-ka:発達凸凹の特性かな?という部分で、仕事上困ったことってありますか?

小倉さん:やっぱりスケジュールが立てられないこと、忘れやすいことだよね。会社で上司、アルバイトの方に言われたことも全然覚えていないんだよね。だから、自分で言ったことは、メールに書いて、職場のメンバーに送って情報共有しているかな。後で話すときに、「言った。言っていない」ってモメるのって一番時間の無駄だしね、それでも伝え漏れはあるけど。

あとは上司に、何かを作成している途中で確認するタイミングを逃してしまう。「こんな感じかな」と思って書類を作ったら、上司が思っていた方向性と違った、みたいな(笑)。やり出したら止まらなくなって、確認するタイミングを逃しちゃった、みたいな。

yu-ka:作り終えてから確認を取るといった感じですか?

小倉さん:そうそう、で時間の無駄と言われてしまうことがよくある。

emo:僕もよくあります(笑)。スケジュールを立てる上で、特に困った実例ってありますか?

小倉さん:実際にその作業をやりながら、細かくなぞらないと、やるべき工程が全然頭に浮かばない。本当に一個ずつ追わないと、ヌケ漏れが出てしまうんだよね。だから一連の作業の所要時間を見積もるのが苦手かな

あとは、優先順位がつけられなくて。お客さんが待っている案件は、急いで取り組むべきだっていうのは分かる。ただ社内で、「これ改善した方がいいよね」と話し合ったことに対しては期限を設定できなくて。「急ぎじゃないからいつでも良いかって思っている内に、いつの間にか年を越すことも(笑)。で、そういう案件は、手をつけたものの途中で放置していて、それこそ、その時の勢いでやっちゃっている。だから、後でその作りかけのファイルを見直しても、何をしようと思っていたのかも、その時には当然忘れているよね(笑)。

yu-ka:分かります。脇に置いておくともう、すさまじく時間が過ぎてしまいます(笑)。

小倉さん:あとね、社内で周りの人より「苦手・出来ないことがあると、それがすごく気持ち的にきついでしょ?欠点ばかりに目がいってしまって、自分のいいところとか、周りの人よりも出来ることが、全然見えなくなってしんどくなっちゃうんだよね

例えば、社内でイベントを開くことになったら、ちゃちゃっと工程を組む周りの人見て、「すごいな~自分は出来ないな」と思う。で、また落ち込む

emo&yu-ka:(深く頷く。)分かります。

emo:働いていると、その苦手な部分だけに目を向けてしまう時がありますね。プライベートではどうですか?

小倉さん:ダブルブッキングとかよくある。友達を誘った後に、自分の予定が入っていたことを思い出して、断られて「あ~よかった!」ってホッとすることも(笑)。

今日も、「今日って予定なんか入っていたような…あっ取材だ!」ってこの取材があること、忘れかけていたからね(笑)。

emo&yu-ka: (爆笑!)そういうこと、あります、あります!

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マラソンの距離にちなんだ店名。なんと、ロッカー、更衣室、シャワー完備♪「僕もマラソン練習で使わせていただきました!どやぁ。素敵でしょ。」by emo

■何かのきっかけを人にあげて喜ばれる瞬間が好き

yu-ka:仕事をされる中でAさんが得意だと感じたり、ワクワクしたりすることってどういったところですか?

小倉さん:「調べるのは、超楽しい!!」。ものごとを詳しく調べて、人に伝えることは好きで得意だね!今、美容関係の会社で働いているんだけど、その一環でしている講師の仕事は、まさにその一つかな。健康関連、美容関係の情報って、曖昧な情報がかなり出回っているから、そういうことはキチンとした情報源を元に、分かりやすく伝えられるように心がけているよ

emo:分かりますわ~!もくもくと調べるのって楽しいですよね。

小倉さん:あとね、大学の卒業研究でやっていた研究がさ、今までの仕事で楽しかったことと通じることに気づいて「ああ、俺がしたいのって多分こういうことなんだな~」って思ったんだよね

酵素のメディエーターの研究をしていたんだけど。まぁ酵素って、何かの反応を起こすものね。酵素が人間で、その何かが『缶切りがないと開かない缶詰』としよう。で、メディエーターは『缶切り』ね。缶切りがあったら、人間が缶詰を開けられるよね。

今、分からないことも、考え方や知識を身に着ければ分かるようになる。今、出来ないこともコツを知れば出来るようになる。考え方、知識、コツなどが、例えの缶切りと同じ要素ね。誰かにそういう必要な『缶切り』をあげたいの

さっき言っていた講師の仕事でも、受講している人が今まで分からなかったことが、講習を聴く事で理解できて、表情が明るくなるのを見たらもう、たまらなく楽しくて嬉しい。自分が知識を人に教えて、聴いた人の笑顔が華やぐのを見るのが好きで。スキースクールで働いていた時も、自分が教えていた小学生の子がスキーを大好きになって、その後も、遠くから頻繁にスキーをしに来てくれたことが、すごく嬉しかったな。

人に「知識とかコツ(缶切り)」を教えて、結果、その人が「新しい何か(缶詰の中身)」を掴んで(手に入れ)楽しんでいる姿を見ることが好きなんだなって

20代の頃は「自分自身が何かを作って、成し遂げて、人に評価されたい」と思っていたけど、『誰かが輝くための手伝いが出来ること』が、実は自分にはすごく向いているんじゃないかと思ったんだよね。向いているというか、すごく好きなんだよね

「特技は仕切ること甘えることです。特に思うのは自分には甘く!優しくしましょう」

「特技は仕切ること甘えることです。特に思うのは自分には甘く!優しくしましょう(ってこと!)」

■懐に潜り込み、周りの人にすぐ覚えてもらえる!

yu-ka:なるほど、とても素敵ですね!ここで、小倉さんのキラキラしていた瞬間、得意なことを思い出して、スケッチブックにあらわしていただけますか?絵でも字でも構いません。

小倉さん:初対面の大勢の人の前で、『得意なことは仕切ることと甘えることです』って自己紹介をしたら、すぐに覚えてもらえた。キャッチーな自己紹介をすることで、皆の印象に残り、早く仲良くなれたことが嬉しかったな。ここで言っている『甘える』ことは、「自分自身、相手に対して構えずに、オープンな気持ちでいる」ことで、相手も心を開いてくれ、すぐに親しくなれるっていう意味ね。強引な意味ではなく、「こいつ面白いな」とか興味を持ってもらえばもう、「あ、もう仲良くなれるきっかけを掴むことが出来たな!」って。

ここで言う、『仕切る』っていうのは、例えば皆が議論に行き詰って困っていたときに、方向性を絞る選択肢を提案することが得意、ということね。「Aなの?Bなの?」っていうような

yu-ka:長所を活かして、今の会社でやりたいことや、転職してやりたいことはありますか?

小倉さん:まず今の職場で、講習のテキストをきっちり整えたいね。データの出典が明らかになっていない書類とかがあって。そういうの、きっちりしていないと僕いやだから。そういう部分を活かして、会社にプラスになるように還元出来たらと。

yu-ka:いつくらいにできたらいいという理想はありますか?

小倉さん:年内にできたらいいなあと思っています。現状は、社内で働く人同士の、意向のすれ違いや誤解が多くて自分自身もすごくしんどい。それが落ち着いてから取り組みたいかな。

■きっちり調べ伝えること、職人的な細やかな作業が好きなことを活かして

yu-ka:仮に転職するとしたら、してみたいことはありますか?

小倉さん:技術営業をしてみたいかな。過去に水の営業していた時に、容量の把握が不正確で、きっちりしていなくてそれが嫌だった。契約が取れればOKではなくって、「メリットや、こうだからいいんですよって部分」をきっちりして紹介したい。その分勉強しなきゃいけないけど。はっきりと相手に商品のメリットを伝えたい、その方が自信をもって勧められるから。何かを知ってもらう、っていうことがやっぱり好きなのかな?

yu-ka:なるほど。ご自身で勉強をし、モノやサービスの内容や利点を納得するまで明らかにしてから、相手に説明、営業をしたいということですね。説明を受ける側は、とても安心できそうです。

小倉さん:そうそう。あっあと前職で、電気自動車部品の一部になるサンプルを作っていたこともあったよ。結構細かくてコツの要る作業が多かったけど、手先は器用なんだよね。そんな感じで職人的な仕事などは向いているかな、って思うし、やってみたい。細かいものをひたすら作るとか好きなんだよね

yu-ka:手先を使う作業が好きで、得意なんですね!私は不器用なので羨ましいです!営業かつ、サンプルも作れるようなお仕事があればぴったりな気がしますね。

小倉さん:そんなマルチにこなせるかな?とも思うけどね(笑)。あっあとね!僕すごく鼻が利くんだよね。香りから、花の種類が分かることもある。香道にも関心があるかな

yu-ka:嗅覚の敏感さ、いいですね。発達凸凹さんらしい、素敵な凸(長所)だと感じます。活かせる場がありそうですね!

■相手・自分自身をそのまま受け入れること。自分の欠点も赦すこと

yu-ka:最後に。今発達凸凹で悩む方々に向けて、メッセージをいただけますか?

「自分を赦すこと受け入れること」発達凸凹で悩む渦中の方に向けて、メッセージをいただきました!!

「自分を赦すことうけいれること」発達凸凹で悩む渦中の方に向けて、メッセージをいただきました!!

小倉さん:ニュージーランドにワーキングホリデーに行っていた時期があったんだよね。そこでは、英語が喋られなくても白い目でみられることはなく、職業において、老若男女で線引きがなくて、その文化っていいなと思った。日本では、人と人の間を隔てる壁のようなものが、少し厚いなと思います。

「○○人ってマナーないよね」って言っているシーンにたまたま出会ったんだけど、それはその国では当たり前の文化なんだから、頭ごなしそう決めつけるのは、僕は違うかなと感じた。結局「常識」とか「当たり前」ってその人の経験から生まれるものであって絶対的なものなんて無いんだよね。だから異文化に触れて自分と他者との違いに気づくことが出来れば、他者を受け入れる下地が出来ると思う。発達凸凹に関してもそうだよね。

誰しもが必ず、ある部分はマジョリティーでも、マイノリティーの部分も持っていることは忘れちゃダメだと思うよ。自分が大多数の人間と同じ「マジョリティー」だ、と思っていても、ある部分では少数派、社会的な弱者「マイノリティー」である可能性がある。その逆も同じで、自分がマイノリティーだと思っていても、ある部分では多数派である可能性があるかなと

自分を赦すことも大切かなと思います。自分の中で、これが出来ないっていう劣等感や罪悪感って、自分を苦しめるだけで解決に繋がらない。「これが出来ない、これが好き、これが嫌い」それが自分そのもの。変えようと思って変えられることばかりじゃない。じゃあ、その上でどうするの?って考えられた時点で「自分がこうである」っていうところに立つことになるよね。それが自然と「自分を受け入れられる」状態なのかなと思う。自分に対する罪悪感とかを赦すのって、本当に自分を受け入れられないと出来ないからね。

 

小倉さんの長所は、思考の深さだなと感じました。物事の本質をとらえることがお好きで得意。「なぜそうなのか。今後、どうしたいのか」ということをいつも考えていらっしゃるからだなと思いました。

また、初対面でしたがとてもフランクに面白く話してくださり、emo、yu-kaはリラックスした気持ちでお話を聴くことができました。

また小倉さんは独自の哲学を持っていらっしゃいます。海外に行かれた経験のある小倉さんは、他の文化を受け入れることにとても寛容だと思いました。小倉さんの哲学から大切なことをたくさん学ばせていただきました。今後の小倉さんの進路について応援させていただきたいと思います!

(取材:emo,yu-ka 文:yu-ka 編集:yuh,emo)

 

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