『定着!はったつさん』誕生秘話前編~ある壁を「ない」ことにするのは悪である~

こんにちは!

今回は、LASS to the dreamが携わった

発達さんと企業を繋ぐプロダクト(定着!はったつさん)

の製品誕生秘話を、対談形式でお送りします!

ライター しょーこさんが、インタビュー・記事執筆にご協力くださりました!

 

2018年4月1日から、企業における障害者の法定雇用率が変わる。初めて精神障害者(発達障害含)を雇用率に含め2・2%に引き上げる動きだ。また2021年に向け、この率は段階的に上昇する――

企業と障害者における関係の変化期に、発達障害のある社員を雇う企業に向けて、『定着!はったつさん』(ウェブアプリ)をリリースした、先進的な企業・株式会社トライン。

その製作秘話と、製作した情熱の理由を、社長の下坂さんと社員(一般社団法人あいともにより出向)のyu-kaさん(LASS to the dream)に今回とお話しいただいた。

発達障害者向けのアプリ開発を重ねて

――どんなきっかけで『定着!はったつさん』を作られたんですか?

下坂:トラインでは毎年一つ、発達さん向けのアプリを作っていまして。まず2015年に子供の発達障害者向けのコミュニケーションアプリ『tomoni(ともに)』を作ったんです。いわゆる、スタンプを使って気持ちをあらわす手助けをするものです。

続いて2016年、大人の発達障害者向けのSST(ソーシャルスキルトレーニング)e-ラーニングアプリ『SSeT(セッテ)』を、そして2017年の秋、発達障害者を雇用し職場定着を目指す企業向けに『定着!はったつさん』をリリースすることができました。

yu-ka:『SSeT』は、発達障害者ご本人向けでしたが、今回はそれを元に、初めて企業向け発達障害コンテンツを制作しました。

 

私たちは発達障害の方を『発達さん(はったつさん)』、そうでない方を『定型さん』と呼んでいます。

いわゆる定型さんと発達さんの考え方・感覚や行動の違いにつき、企業側に知っていだくと「働く場面」で役に立つような内容を集めています。

――なるほど、今までの積み重ねがあってその先に企業向けの発達障害のためのウェブアプリが作られたんですね。

下坂:そうです。最初は『企業向け SSeT』という愛想のない名前でした(苦笑)。『SSeT』には1000ユーザーの登録があり、どこの回答で発達さんが躓きやすいか?特に定型さんと考えが異なる点はどこか?を、実際のデータを元にして分析することができました。

――定型さんと発達さん、どんな所に違いがありましたか?

yu-ka:私もそうなのですが、発達さんは、人事異動や残業指示などにおいて、NOと言えず交渉ごとを避ける傾向があります。あとは、会議で正反対の意見が出たり、食堂のメニューで一人だけ異なるものを頼んだりすると、仲間外れ・否定されたという感情を抱きやすいという結果でした。

下坂:また服装について指摘されて、その場で「すいません」と謝るより、帰ることを選んでしまうということも。服装について周りに指摘されることが多く、傷つくポイントなのではと推測されます。
言葉を真に受けやすいことも合わさり、先ほど述べたように、本当に帰ってしまう。納得できないとうまく動けない。人から見るとわがままに見えてしまうこともある。
また指摘されることを、『百の内のたった一つに対してのアドバイス』ではなく、他人からの全否定と捉えてしまうなど、俗にいう白黒思考に偏りがちです。

――そうやって聞くと、ちょっと迷惑なやつかもしれないですね(苦笑)。でも交渉を避けるというのは分かる気がします。

あと自制しているんですが、私も「帰れ」と言われると「帰れと言うほど怒っている私の真意を読み取れ」とではなくまんま言葉通り帰ろうとなってしまいます。 それに、指摘されると咄嗟に「怒られた、嫌われた!」と思って頑なになるんですよね。

yu-ka:すごく共感します。指摘されるとつい心を閉ざしてしまいがちです(苦笑)。

――難しいですよね(苦笑)、自己肯定感が低いのかな……。

yu-ka:少し脱線しますが、『SSeT』は無料のウェブアプリでして、ぜひ大人の発達さんにご活用いただけると嬉しいです。「働く」という場面で、曖昧なニュアンスをどう判断したら良いか、どのように振舞うとベターなのか、また選択肢としてより柔軟な考え方もあることなど、設問を通じて知っていただけるかなと。

――本当だ、こういうのがあったら!というシーンがちゃんとある。ちまたのウェブニュースの発達障害チェックシートよりよっぽどいいですね。

下坂:ありがとうございます(笑)。あと『定着!はったつさん』執筆ではyu-kaさんにとても頑張ってもらいました。

yu-ka:はい……大変なところもありました(笑)。そのお話はまた後ほど。

壁を可視化することによって低くする、それが定着!はったつさん

――どうしてそこまでして発達障害者の為のウェブアプリを開発してくれるのですか?

 

下坂:始まりは私の身内に発達障害者がいるからです。診断を受け渡されてからは、『発達障害の子を持つ親の会』などに顔を出し色々な繋がりを持ち、自分なりに試行錯誤しながら子育てをしました。

長年の経験から、私は発達障害者とそうでない方の間にある『ある壁』を『ないこと』にすることは悪いことだと思っています。壁を『ない』ものとしていると壁はいつまでも高いままです。壁があると認めることで初めて壁を低くする事が出来るのです。

――まず二つの異なる存在の間に壁があると認める事から全てが始まると?

下坂:はい。まず見えるようにしないといけない。壁を可視化することによって、どうやったら超えられるか?という視点になる。そこから会話やコミュニケーション、合理的配慮によって壁を低くすることができる。その為の企業向けのウェブアプリ『定着!はったつさん』です。企業側が、発達障害者の行動が理解できずに困った時に「こういう違いがある」と知ることで壁を越える事ができると思うんです。

――とても素晴らしいアプリですね、まさに企業と発達障害者のための架け橋となる存在だと思います。個人的な感想としては、ありえないくらい安価で、さまざまな企業が広く使えるようになっていると思います。『SSeT』と『tomoni』も無料である事が信じられないくらいなのですが……企業だけではなく、作業所などでも使えそうです。

下坂:そうですね、色々な場所で広く使われたらと思います。まだまだ知られていませんが少しずつ広めていく予定です。また『定着!はったつさん』は今後もアップデートにより、もっと便利になっていきますよ。

――凄い! まだまだ先を見据えているんですね。

下坂:ええ、今後もまだまだ色々なアクションを起こしていきます。

yu-ka:『定着!はったつさん』には体験版もあります。どなたでも、お試しいただけますので、ぜひ覗いてみてください。

――それでは次回はyu-kaさんの製作上の苦労をお話頂きます。

大人向けソーシャルスキルトレーニング『SSeT』はこちら↓

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企業向け発達障害者雇用の為のウェブアプリ『定着! はったつさん』の体験版はこちら

 

(インタビューアー・ライター:しょーこ 編:yu-ka)

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